特定商取引法(クーリングオフ)

特定商取引法

特定商取引法(旧称「訪問販売法」:訪問販売等に関する法律)は、訪問販売や通信販売など、消費者トラブルを生じやすい取引を対象に、事業者が守るべきルールと、消費者を守るルール(クーリングオフなど)を定めています。
これにより、事業者による違法・悪質な勧誘行為等を防止し、消費者を守るための法律です。


  1. よく分かる資料・参考文献
  2. 被害にあったら?
    1. 相談する:
    2. 通報する:
  3. 特定商取引法について
    1. 個人とは
    2. 特定商取引法の対象となる取引タイプ
    3. 事業者に対しての規制
    4. 消費者に対しての保護
  4. クーリングオフ(契約解除)
    1. クーリングオフの期間
    2. クーリングオフの効果
    3. クーリングオフできないケース
    4. クーリング・オフの期間が過ぎた場合でも、クーリング・オフが適用できます
    5. もう一度、見直そうクーリングオフ
  5. 【中途解約】クーリングオフ期間後に契約解除する方法
    1. 中途解約(特定継続的役務提供、連鎖販売取引)
      1. 特定継続的役務提供(エステなど)の中途解約
      2. 連鎖販売取引(マルチ商法など)の中途解約
  6. クーリング・オフの書き方(ハガキ)
    1. クーリング・オフ効力の発生
    2. クーリング・オフの手順
    3. クーリング・オフの手順その後
  7. 郵便記録を残す方法
    1. 特定記録、簡易書留、一般書留、配達証明、内容証明
    2. 電子(e)内容証明

よく分かる資料: 

相模原市、あなたの身近な契約トラブル(PDF)

参考文献:

消費者庁:「特定商取引法」
→法令文を検索する:総務省行政管理局:法令提供システム
→法令文を読む:「特定商取引法」


■被害にあったら?

相談する:

通報する: 

■特定商取引法について:

特定商取引法では、クーリングオフできる商品が限定されていますが、消費者契約法では全ての消費者契約に適用されます。
特定商取引法が適用できない場合には、消費者契約法も合わせて確認しましょう。
消費者契約法は、全ての消費者契約(労働契約を除く)に適用されます。

個人とは:

通常は、個人事業主など、「個人」であっても事業目的として契約した場合には、
その個人とは「個人消費者」に該当せず、「事業者」として見なされます。 

その逆で、肩書きが商店や個人事業主であっても、事業目的ではなく、個人消費のためなら、「個人消費者」としてみなされます。

特定商取引法の対象となる取引タイプ:

取引タイプ

該当例 クーリングオフ期間
(期間中であれば、無条件で契約解除できる。期間を過ぎても不正があれば適用できる)
通信販売
消費者が、新聞、雑誌、インターネット、カタログなどを見て、郵便、電話、インターネット等の通信手段で、申込みをする販売形態。インターネット・オークションも含まれます。

クーリングオフ適用不可

※通信販売には、購入者がゆっくり考える時間があるため、クーリング・オフは適用されません。
※ただし電話勧誘販売形式で通信販売をした場合は「電話勧誘販売」に該当するため適用される
訪問販売 事業者が一般消費者の自宅等へ訪問して、商品や権利の販売または役務の提供(サービスの提供)を行う取引、キャッチセールス(街中で声をかけれて事務所などへ連れていかれて商品を買わされる)、 アポイントメントセールス、催眠商法を含みます。
キャッチセールスなどは、特定顧客に該当します。
特定顧客に該当すれば、店舗などで契約した場合でも訪問販売として扱われます。
8日間

※「訪問販売」や「電話勧誘販売」の場合、現金取引で3,000円未満については、クーリング・オフできません。
訪問購入
(2013年施行)
いわゆる「押し買い」といわれるものです。事業者が一般消費者の自宅等へ訪問して、貴金属の買取りなど、物品を強引に買い取っていくことです。
(2輪除く自動車、家電、家具、書籍、有価証券、CD・DVD・ゲームソフト類を除く)
8日間

※クーリング・オフ期間中は物品の引渡しを拒絶できます。
電話勧誘販売
事業者が電話で勧誘し、消費者が電話、FAX、インターネット、メール等の通信手段で申し込む販売形態。電話をいったん切った後、消費者が申込みを行う場合にも該当します。 8日間

※「訪問販売」や「電話勧誘販売」の場合、現金取引で3,000円未満については、クーリング・オフできません。
特定継続的役務提供 一般的には長期間の契約を結ぶサービスで、それに対する高額の対価を取引すること。
平成16年1月1日より追加項目が施行され、現在、エステティックサロン、語学教室、家庭教師、学習塾、パソコン教室、結婚相手紹介サービス、の6つのサービスが該当します。

特定継続的役務(サービス) 契約期間 契約金額
いわゆるエステティック:
人の皮膚を清潔にしもしくは美化し、体型を整え、または体重を減ずるための施術を行うこと
1ヶ月超え いずれも5万円を超えるもの
いわゆる語学教室:
語学の教授(入学試験に備えるためまたは大学以外の学校における教育の補習のための学力の教授に該当するものを除く)
2ヶ月超え
いわゆる家庭教師:
学校(小学校および幼稚園を除く)の入学試験に備えるためまたは学校教育(大学および幼稚園を除く)の補習のための学力の教授(いわゆる学習塾以外の場所において提供されるものに限る)
2ヶ月超え
いわゆる学習塾:
入学試験に備えるためまたは学校教育の補習のための学校(大学および幼稚園を除く)の児童 、生徒または学生を対象とした学力の教授(役務提供事業者の事業所その他の役務提供事業者が当該役務提供のために用意する場所において提供されるものに限る)
2ヶ月超え
いわゆるパソコン教室:
電子計算機またはワードプロセッサーの操作に関する知識または技術の教授
2ヶ月超え
いわゆる結婚相手紹介サービス:
結婚を希望する者への異性の紹介
2ヶ月超え

(※1)「家庭教師」および「学習塾」には、小学校または幼稚園に入学するためのいわゆる「お受験」対策は含まれません。 「学習塾」には、浪人生のみを対象にした役務(コース)は対象になりません(高校生と浪人生が両方含まれるコースは全体として対象になります)。
(※2)入学金、受講料、教材費、関連商品の販売など、契約金の総額が5万円を超えていると対象になります。
(※3)役務(サービス)の内容がファックスや電話、インターネット、郵便等を用いて行われる場合も広く含まれます。
8日間

※中途解約権あり
※店舗(営業所)での契約も含みます

連鎖販売取引
いわゆる「マルチ商法」のことです。個人を販売員として勧誘し、さらに次の販売員を勧誘させるというかたちで、販売組織を連鎖的に拡大して行う商品・役務(サービス)の取引のこと。

マルチ商法と似ていますが、「ねずみ講」は「無限連鎖講の防止に関する法律」で禁止されていますので、ねずみ講の主催、勧誘、参加することも、全面的に禁止されています。

「連鎖販売業」とは、次のように規定しています。
  1.  物品の販売(または役務サービスの提供など)の事業で
  2. 再販売、受託販売もしくは販売のあっせん(または役務の提供、もしくはそのあっせん)をする者を
  3. 特定利益を得られる(お金儲けができる)と誘引し
  4. 特定負担(会費などの金銭負担)を伴う取引(取引条件の変更を含む)をするもの
取引を行うための条件として、1円以上の負担をさせる(=特定負担)場合であれば「連鎖販売取引」に該当します。 実際には、入会金、保証金、サンプル商品、商品などの名目を問わず、取引を行うために何らかの金銭負担があるものは全て「連鎖販売取引」に該当します。

「個人消費者を、特定利益を得られると誘引し、特定負担(金銭負担)を伴う取引」であり、契約書が特定商取引法に基づいていなかった場合、「法的に書面不備」を根拠としてクーリングオフは可能です。
契約書面が法定書面(法律で決められた記載要素を満たしている書面)であるならば、クーリングオフの記載欄があるため、その欄を確認し、原則として書面交付日から20日以内にクーリングオフの通知を行います。

連鎖販売取引においては、訪問販売のような(3,000円未満の現金取引、消耗品の使用や消費などクーリングオフできないなど)の制限は無いため、これらの記載を概要書面や契約書面にしていた場合は書面不備になり、クーリングオフの起算日が開始しないことになります
20日間

※中途解約・返品ルールあり
業務提供誘引販売取引
一般的には「内職商法」や「モニター商法」といわれるものです。
「仕事(内職やモニター)を提供するので収入が得られる」という口実で消費者を誘引し、仕事に必要であるとして、 商品や備品を購入させたり、講習を受けさせたり、登録費を負担させる取引き。店舗(営業所)での契約も含みます。
仕事を斡旋する対価として備品購入や講習・登録費などの金銭負担させる取引のこと。
20日間

※契約書面を受け取った日を1日目として数えます。クーリングオフを行うには、各取引の行使期間(上記参照)以内に書面を発信する必要があります。例えば、8日以内の消印であれば、業者に届くのは9日目以降でも有効です。

※「訪問販売」や「電話勧誘販売」の場合、現金取引で3,000円未満については、クーリング・オフできません。
この現金取引とは、現金で支払いを済ませ、かつ商品の引き渡しも済んでいる場合をいいます。
なお、「振込み」や「代引き」配達および「デビットカード」による即時決済は、現金取引には該当しないと考えられています。

 

事業者に対しての規制:

事業者に対して、以下のような規制があります。
特定商取引法の違反行為は、業務改善の指示や業務停止命令の行政処分、または罰則の対象となります。

  • 氏名等の明示の義務づけ:
    勧誘開始前に事業者名や、勧誘目的であることなどを、消費者に告げるよう業者に義務づけています。
  • 不当な勧誘行為の禁止:
    不実告知(虚偽の説明)や、重要事項(価格や支払い条件など)や不利な事実を故意に(わざと)告知しなかったり、消費者を威迫して困惑させたりする勧誘行為を禁止しています。
  • 広告規制:
    業者が広告をする際には、重要事項を表示することを義務づけ、また、虚偽・誇大な広告を禁止しています。
  • 書面交付義務:
    契約締結時等に、重要事項を記載した書面を交付することを事業者に義務づけています。

事業者が上記に違反した場合、クーリングオフ期間が経過していたとしても、クーリングオフの適用が可能です。 

 

消費者に対しての保護:

消費者による契約解除(クーリング・オフ)、取り消しなどを認め、
また、事業者からの法外な損害賠償請求を制限して、消費者を保護するルールを定めています。

  • クーリング・オフ(契約解除):
    クーリング・オフとは、申込みまたは契約後に契約書(法律で決められた書面)を受け取ってから一定の期間(上記参照)、消費者が冷静に再考して、理由を問わず無条件で、契約を解除できることです。
  • 意思表示の取消し:
    事業者が違法行為(不実告知や重要事項の故意の不告知等)を行った結果、消費者が誤認し、契約の申込み、
    またはその承諾(「買います」「契約します」「入会します」)の意思表示をしたときには、消費者は、その意思表示を取り消すことを認めています。
  • 損害賠償等の額の制限:
    消費者が中途解約する際等、事業者が請求できる損害賠償額に上限があります。(下記参照) 

事業者が違反した場合、クーリングオフ期間が経過していたとしても、クーリングオフの適用が可能です。 

 

■クーリングオフ(契約解除):

消費者庁:特定商取引ガイド「クーリング・オフとは」(PDF形式)
国民生活センター:クーリング・オフ
西宮市:消費者ガイド「クーリング・オフとは」

特定商取引法 で定めるクーリング・オフとは、一定期間内に、理由を問わず、無条件で、契約を解除できる制度です。
業者の同意は必要ありません。消費者が「クーリングオフをする」という意思表示をすれば契約が解除されます。

一度したクーリングオフは撤回することができませんが、新たな契約を締結することはできます。
新たに契約を締結すれば、それは再びクーリングオフの対象となります。

クーリングオフの期間:

クーリングオフの可能な期間(日数)は、「契約日」から起算するのでなく、「書面交付日」(受け取った日)から起算します。
まだ書面(法律で義務付けられた重要事項が記載されている、いわゆる契約書)を受け取っていない場合は、いつでもクーリングオフが可能です。

「書面の交付日から8日間/20日間」には、交付日当日を1日と数えます。

クーリングオフの効果:

クーリング・オフを適用すると、

  1. 契約をさかのぼって消滅し、契約をなかった状態(=原状回復:元通りに戻す)にすることができます。
  2. 通常、使用済みの商品であっても、契約をなかったことにできます。
    役務の提供(サービスを受けた)後でも、契約をなかったことにできます。
  3. 原状回復義務について、消費者には一切負担する必要がありません
    (通常、民法上では、「原状回復義務」は両当事者にあり、消費者と事業者は互いに受け取った商品や代金を双方へ返還する義務が生じますが、クーリングオフにおける「原状回復」の場合には、 消費者は受取った商品が残っていれば返還しますが、使用済みの商品(消耗した商品)の対価や、既に受けたサービスに対しての対価、に相当する分を換算して金銭を支払う必要はありません)
  4. 消費者が支払った金額は全額返金されます。訪問購入(押し買い)の場合、業者へ引き渡した物品は返却されます。
  5. 消費者が商品を受け取っている場合、その商品や権利の返却に必要な費用は、事業者の負担(着払いで返送できます)となります。
    また、訪問購入(押し買い)の場合、受け取った代金を返還にかかる費用がある場合、事業者の負担となります。
  6. 契約書に「キャンセル料」「違約金」「損害賠償」について書かれていても、一切支払う必要がありません
  7. 消費者が商品を使用したり役務(サービス)を受けたことで利益を得ている場合でも、業者はその利益の返還を請求することができません。
    事業者より提供された業務による収入があった場合でも、消費者はその利益の返還の義務は負わないと考えられます。
    (「業務提供誘引販売取引」「連鎖販売取引」については規定はありません)

クーリングオフできないケース:

  •  クーリング・オフ期間を過ぎた場合。(ただし下記の例外を除く)
  • 開封や消耗品について:化粧品、健康食品などの消耗品を開封や使用した場合に、その使用済みの分はクーリングオフできませんが、契約書面に説明(消耗品の特則)がなければクーリング・オフできる。
    また、事業者から無理やり開封や使用するように指示された場合はクーリング・オフができる。
  • 「訪問販売」や「電話勧誘販売」の場合、代金が現金払いで3,000円未満の場合は、クーリングオフできない。
    (3000円以下でも「後日払い」や「分割払い」はクーリングオフ対象となる)
  • 「通信販売」に該当する場合クーリング・オフができない(表の注意事項を参照)

クーリング・オフの期間が過ぎた場合でも、クーリング・オフが適用できます。

  • 受け取った書類が、「クーリング・オフについての注意書きがない」などの書類不備がある場合。
  • 事業者が「クーリング・オフはできない」と嘘を言ったために、できないものだと誤解をして期間を過ぎてしまった場合。
  • 事業者がクーリング・オフをさせないよう、消費者を威迫したり困惑させながら、期間を過ぎてしまった場合。 

もう一度、見直そうクーリングオフ:

原則としては、クーリングオフ期間を経過すると、クーリングオフの権利を行使できなくなります。

ですが・・・

クーリングオフ期間が過ぎた後でも、クーリングオフ(契約解除)ができないと、諦める必要はありません。
その契約書に不備があったり、事業者に違反があれば(上記参照)、期間が過ぎてもクーリングオフは可能です。

特定商取引法の改正(平成16年11月施行)により、「不実告知」「故意の不告知による誤認」により契約した場合は、クーリングオフ期間経過後も契約の取消が可能になりました。 ただし、

  • 誤認の事実を消費者が立証しなければならないこと、
  • 消費者が不実告知を知った時から6ヶ月または契約締結から5年間以内であること。

クーリングオフによる契約解除を行うと、
消費者側は、商品を使用したり役務(サービス)を受けた後でも、その対価としての金銭は原則支払う必要はありません
業者側への損害賠償や違約金等は一切支払う必要はありませんし、 返品、返金にかかった費用は一切支払う必要はありません。

このようにクーリングオフは非常に強い強制力を持っているのです。


■クーリングオフ期間後に契約解除する方法(=中途解約)

西宮市:消費者ガイド「中途解約とは」
行政書士大下法務事務所クーリングオフ代行「中途解約」

中途解約(特定継続的役務提供、連鎖販売取引)

クーリングオフが適用できない場合、「中途解約」という手段もありますが、消費者側の負担(解約手数料など)もあり、クーリングオフのような強力な権利ではありません。

クーリングオフ期間が過ぎてしまった場合でも、有効な契約期間が残っていれば、理由を問わず、一定の解約手数料(上限が決められています)を支払えば、中途解約(途中で契約を解約)する事が出来ます。

事業者への中途解約の意思表示は、内容証明が業者へ到達してから効力が発生します。
(法的には書面でなくてもいいのですが、トラブルを回避するために、「内容証明」で意思表示するのが一番で確実です)

消費者が一方的に不利になる特約は無効:

契約書に「解約料」についての項目が書かれている場合でも、特定商取引法の規定に反するものは無効となります。
例えば、中途解約時の清算方式が、契約のサービスの内容と対価の関係とは別の不合理なものとなっている場合で、
その内容が業者に一方的に有利になっている場合(消費者に不利益な特約)は、無効となります。

特定継続的役務提供(エステなど)の中途解約(特定商取引法 第49条)

将来に向かって特定継続的役務提供など契約(関連商品の販売契約を含む)を解除(中途解約)することができます。
事業者が請求できる損害賠償(違約金)などの額の上限が決まっています。

既にサービスを受けた対価分(例えば、既に3か月分のエステのサービスを受けたなど)は、法令で定める一定額以内の損害賠償を支払う必要があります。事業者がその額を超える金額を受け取っている場合には、消費者へ超過分(残額)を返還しなければなりません。

特定権利販売契約(役務提供事業者以外の販売業者が特定継続的役務提供を受ける権利を販売する)に関しては契約時に遡って効力が生じます。

中途解約の場合、消費者には原状回復義務(返せるモノは返す)があり、さらに不当利得が発生した場合には、これを返還する義務がありますが、事業者が請求できる上限が決まっています。 

解約手数料

解約手数料は一定の上限額が定められています。事業者がこの上限を超える解約手数料を請求することは法律違反となります。
解約料の上限金額に年6%の遅延損害金を加えた額を越える支払いを事業者は消費者に対して請求できない。

<事業者が消費者に請求できる中途解約手数料の上限>

業種 サービス提供開始前の解約料の上限 サービス提供開始後の解約料の上限限
エステティックサロン 2万円  2万円または契約残額の10%に相当する額のいずれか低い額 
+すでに受けた役務(サービス)の対価に相当する額
外国語会話教室 1万5000円 5万円または契約残額の20%に相当する額のいずれか低い額 
+すでに受けた役務(サービス)の対価に相当する額
家庭教師派遣 2万円 5万円または1ヶ月分の役務(サービス)の対価に相当する額のいずれか低い額
+すでに受けた役務(サービス)の対価に相当する額
学習塾 1万1000円 2万円または1ヶ月分の役務(サービス)の対価に相当する額のいずれか低い額
+すでに受けた役務(サービス)の対価に相当する額
パソコン教室 1万5000円 5万円または契約残額の20%に相当する額のいずれか低い額 
+すでに受けた役務(サービス)の対価に相当する額
結婚相手紹介サービス 3万円 2万円または契約残額の20%に相当する額のいずれか低い額 
+すでに受けた役務(サービス)の対価に相当する額

<関連商品>

関連商品については、中途解約時に契約解除をすることができる。
その際に役務提供事業者は、上記表に記載の上限額に年6%の遅延損害金を加えた額を越える支払いは請求できず、
かつ以下の表のように関連商品の返還態様により上限金額も変化する。

関連商品の返還態様 上限金額  
関連商品引渡し後に返還された場合  関連商品の通常の使用料 or 当該関連商品の販売価格に相当する額から当該関連商品の返還された時における価額を控除した額が通常の使用料を超える時はその額
返還されない場合 関連商品の販売価格相当額
関連商品引渡し前に解除された場合 契約の締結及び履行のために通常要する額

関連商品とは、特定継続的役務の提供に際し消費者が購入する必要がある商品として政令で定める商品のことです。
サービスと一体化しており、契約書面にも必ず記載されることとなっています。
消費者が本体の特定継続的役務提供等契約をクーリング・オフ(または中途解約)した場合には、
その関連商品についても同様にクーリング・オフ(または中途解約)することができます。
なお、具体的には、以下のものが関連商品として指定されています。 

関連商品一覧
役務(サービス)の種類 関連商品の内容
エステティックサロン
  • いわゆる健康食品
  • 化粧品、石けん(医薬品をのぞく)及び浴用剤
  • 下着類、
  • 美顔器、脱毛器
外国語教室
家庭教師派遣
学習塾
  • 書籍(教材を含む)
  • カセットテープ、CD、CD-ROM、DVD等
  • ファクシミリ機器、テレビ電話
パソコン教室
  • 電子計算機およびワードプロセッサー並びにこれらの部品および付属品
  • 書籍
  • カセットテープ、CD、CD-ROM、DVD等
結婚相手紹介サービス
  • 真珠並びに貴石および半貴石
  • 指輪その他の装身具


連鎖販売取引(マルチ商法など)の中途解約(特定商取引法 第40条)

消費者は、加入契約をいつでも解除できます。
以下の条件を満たせば、 商品販売契約を解除し、その商品を返品して、て、購入価格の90%相当額の返金を受けることができます。
原状回復義務については、双方が負うこと(消費者は商品を返品して、事業者は返金する)になります。

  • 入会日(連鎖販売契約の締結時)から1年未満の加入者であること、
  • 商品を受け取った日(役務提供権利移転の日)から90日以内の未使用、再販売していない商品を販売事業者元へ返品すること
  • 商品を使用または消費していないこと(販売事業者が強制的に使用または消費させた場合を除く)
  • 自らの責任で商品を減失または毀損(破損)していないこと
  • 事業者へ支払う 違約金の上限は、返品する商品価格の10%以内です。
  • 返品した商品に関して、それら商品を過去に購入した際に特定利益(ボーナス)を得ていた場合には、販売元に返還しなければなりません。

■クーリング・オフの書き方

クーリング・オフは、解約の通知を送ることで、理由を説明は不要で、一方的に契約を解除できます。

クーリング・オフの通知は、証拠を残すため、必ず書面(信頼できる業者ならハガキが簡単)で行いましょう。
言った言わない、届いた届いてない、トラブルを避けるためにも、記録が残る郵便で送ることを推奨します。

国民生活センター:クーリング・オフ

国民生活センター:クーリング・オフのハガキの書き方(販売事業者あて) 国民生活センター:クーリング・オフのハガキの書き方(クレジットカード会社あて) 国民生活センター:クーリング・オフのハガキの書き方(買取業者あて)

クーリング・オフ効力の発生:

クーリング・オフの効力は、書面を発信した時点で発生します。
事業者から契約書面を受領した日を初日(1日目)と数えて、規定の期間内の消印で書面を発信すれば、事業者に届くのが9日目以降であっても有効です。

クーリング・オフの手順:

  • 規定の期間内以内に、必ず書面(信頼できる業者ならハガキが簡単)で通知する 。
    クーリング・オフ妨害(「クーリング・オフができない」と事業者が言ったり、脅されてクーリング・オフができなかった場合など)
    があったときには、規定の期間を過ぎてもクーリング・オフができます。
  • 書き終わったら、原本をコピーし(ハガキなら両面)、控えとして保管する。
    内容証明」で送る場合は、同じものを3通(コピーでOK)用意します。
  • 契約書面に記載された業者(販売会社)宛てに通知する。
  • クレジット契約をしている場合は、クレジット会社宛てにも通知する。
  • 郵便局で記録の残る方法で送付する。ハガキなら「特定記録」または「簡易書留」で送ります。
    悪徳業者だと、「通知が着いていない」、封書でも「中身がなかった」と言い逃れをしますので、
    一番確実な「配達証明」付きの「内容証明」(書面の内容も証明される)の郵便で送りましょう。
  • 送付時に郵便局が発行する控えも保管しておく。送付記録や関係書類は、5年間保管してください。

クーリング・オフの手順その後: 

  • 支払ったお金は返してもらいましょう。支払済みの頭金や代金は全額返金されます。
  • 受け取った商品は、返送費用が業者負担で、業者に引き取らせるのがよい。
    原状回復(契約前の状態に戻す)費用は、すべて業者負担と定められています。
  • 訪問購入(押し買い)の場合は、引き渡した商品があれば返してもらい、受け取った売却金額は返しましょう。

■郵便記録を残す方法:

郵便オプション オプション料金
(通常の郵便送料が必要)
郵便料金
用紙や書式 サービス内容と特徴 補償

特定記録

 +160円 ハガキもOK。 郵便を「発送した事実」を記録します。
受取人の郵便受箱に投函します(受領印の押印や署名は行いません)
※差出人の手元には「発送した記録控え」は残りますが、「送付先に、いつ届いたか」の事実を証明するものは残りませんので、証拠として記録が欲しいときは「配達証明」を利用してください。
万一の郵便事故でも損害賠償はありません。

簡易書留

 +310円 ハガキもOK。 一般書留に比べて料金が割安です。
簡易書留では「引き受け」と「到着」のみを記録します。
引き渡しの際、受取人の受領印(押印や署名)をもらう。
※差出人の手元には「送付先に、いつ届いたか」の事実を証明するものは残りませんので、証拠として記録が欲しいときは「配達証明」を利用してください。
万一の郵便事故で5万円までの補償付き。

一般書留

 +430円 ハガキもOKですが、
通常、ハガキには簡易な「特定記録」や「簡易書留」を利用することが多いです。
一般書留では「引き受け」から「到着」までの全て送達過程(経由地)を含む全てを記録します。
引き渡しの際、受取人の受領印(押印や署名)をもらう。
※差出人の手元には「送付先に、いつ届いたか」の事実を証明するものは残りませんので、証拠として記録が欲しいときは「配達証明」を利用してください。
万一の郵便事故で賠償額は10万円
(さらに補償5万円ごとに+21円で上限500万円)までの実損額。

配達証明

+430円(一般書留)
+310円(配達証明)
+430円(証明書の発行手数料)
ハガキもOK。

「相手が受け取った事実」「受け取った日付」の証拠を残せます。
「一般書留」の郵便サービスに加えて、「何月何日に相手に届けた事実」を証明します。 配達証明書(ハガキ)が送られてくる。
(郵便物の実際の受取人が誰であるかを証明するものではありません)

差出後に配達証明書の発行を請求(発送後1年以内に、発送時の受領証を提示)する場合は+430円。
一般書留に準じる

内容証明

+430円(一般書留)
+430円(内容証明)
(2枚目以降は+260円)
市販の用紙も売っていますが、
文書用紙の大きさや
用紙の種類は自由ですが、字数や行数の制限があります。

郵便局:内容証明の書式
「通知を出した事実」「通知を出した日付」「通知の内容」
(その内容の通知を送ったという事実の証明であり、書いてある内容が正しいかどうかの証明ではない)
「差出人、宛先、通知内容」を証明する。
(証明するものは文書の存在であり、内容の真実を証明するものではありません)

ハガキサイズの小さな用紙に書くこともできますが、「内容証明郵便」は封書で送るため、ハガキ自体をそのまま「内容証明郵便」にすることはできません。

原本1通と、謄本(内容文書を謄写した書面)2通を複製し、
その謄本を「差出人」と「郵便局」で5年間、保管する。

一般書留に準じる

日本郵便:郵便

 

電子(e)内容証明 

郵便局に行く必要がありません、郵便ポストに投函に行く必要もなく、インターネットから内容証明を出すことができます。
パソコンで文書を作成し、郵便局側で内容3通分の印刷して封筒に入れて、普通の郵便物と同様に配達してくれる。

他に特徴としては、文字数の制限が緩和されています。
従来の約3枚分の文字数が、電子内容証明では1枚分で記載できます。
内容証明に必要な3通のうち1通は、差出人が証拠の謄本として保管すべきもので、郵便局から差出人宛てに郵送してくれる。

郵便局:電子(e)内容証明

 

■内容証明を送らない方が良い場合:

トラブル解決後も親しく付き合っていきたいとき

友人、隣人、肉親など親しい関係にある人と今後も親しく付き合っていきたいときは、内容証明郵便を出すことは得策とはいえません。
まず、何度か話し合いをし、それでも折り合いがつかないのであれば、内容証明郵便を出すのが良いのかと思われます。

相手に対して落ち度があるとき

相手が一方的に悪いと思っていたら、よく考えたら自分にも落ち度がある場合は内容証明郵便は自分にとっても相手方にとっても証拠となりますので出すのは得策とはいえません。

相手に誠意があるとき

相手に誠意があるのに内容証明郵便をだすのは、相手にとってみれば、不快なことですし相手方が歩み寄りを示しているのを拒否することになります。